続・再養育村 計画 


 前掲「再養育村計画」にて草案を執筆しましたが、続いて、再養育者獲得の手段を考察・提案してみたいと思います。

 

 前回は主に土地と施設の確保を中心に展開をしましたが、それ以上に重要な存在が人、それも再養育者です。資本主義のこの国では、人が善意だけで無償で動くのは残念ながらとても不可能です(ゆえに、当会では自由階級主義を両輪として提案しているわけです)。しかしながら、一方で無償の愛以外に要再養育者を救う方法が無いというジレンマを抱えています。

 そこで当会が提案したいのが、再養育者への、法律面でのケアです。言い換えると、再養育支援が掛け金で、法律問題の解決が保険金の、一種の保険システムの提供です。

 現在、法律行為は弁護士ですと相談30分で5000円と言う、結構な金額を取られます。さらに裁判などになれば、もっとかかるわけです(しかも、100%の成功は保証されない)。富める者しか法の加護を受けられぬというのでは、人心荒むというものです。そこで、徹底した法律支援を再養育者に提供しようというわけです。

 

 では、なぜ法律をいわば報酬にするかといえば、以下のような理由に拠ります。

1.直接的な利益欲求を被再養育者に感じ取られてはいけない。
 養育者が被再養育者に触れる際の感情は、無償の愛でなければなりません。つまり、直接的な利益が背後に見えてはいけないのです。この、労力が掛け捨てになるかならないかが未定である「法律保険」と言う方法は、ジレンマを切り抜けるぎりぎりの手段といえます。

2.もともと、再養育村には法務部門が必要である。
 読んでの通りです。ある程度以上の規模の団体を運営するならば、内部の法務部門は必須です。ならば、それを同時にこうした用法で使うのは、無駄が少なく一石二鳥といえます。

3.法に護られているという実感は、精神の安定に重要である。
 被再養育者はもちろんですが、再養育者にとっても、法、すなわち社会に護られている、祝福されているという感覚は大きくプラスになります。再養育はなかなかに大変な行いですから、こうしたフォローによるストレスの軽減は重要です。

4.再養育者は犯罪の予防にもっとも尽力している存在である。
 再養育は犯罪抑止力として、どんな重罰よりも大きな力を持ちます。言い換えれば、再養育者はもっとも防犯に力を尽くしている人であり、優先的に法の加護を受ける権利を持っているというわけです。

  なお、無論のことですが、再養育療法期間外に発生した法律問題には、基本的にタッチしないという姿勢の徹底も重要です。本来、善意で再養育者になりたいという動機が第一義であり、それに対する法支援はいわばおまけです。駆け込み寺のように法支援を求めてくるような人間では、様々の意味で、とても再養育者が務まるとは思えません。

 法曹人材の確保法など、まだ問題を残していますが、上記で草案を終わります。なお、法支援以外にも、医療支援を同様に保険にすることも出来るのではないかと思います。

 

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